ギリシャ悲劇 2011 6 5

 遠く離れた日本でも、ギリシャの財政問題の話がニュースになります。
本来であれば、ギリシャのような状態になれば、
通貨は暴落し、国内はインフレとなるでしょう。
これは、悲劇でしょうが、実は復興にもつながるのです。
 経済学者の岩田規久男氏の分析によれば、
日本と同じ時期に(1980年代の後半)、
スウェーデンも、株価と不動産価格のバブルが発生していたのです。
 そして、同じく1990年にバブル崩壊が始まったのです。
その結果、スウェーデン経済は、1991年から3年間マイナス成長となったのです。
ここまでは、日本と同じような経緯だったと言えるでしょう。
 しかし、1994年と1995年には、4%成長が続き、スウェーデン経済は急回復したのです。
一方、日本経済は、「失われた10年」と言われるように長期間不景気が続きました。
 どうして、日本経済とスウェーデン経済は明暗を分けてしまったのか。
それは、岩田規久男氏の本によれば、
「スウェーデンは、日本とは違って、いち早く銀行部門に巨額な資本を注入し、
銀行危機を短期間で乗り切ることに成功した」とあります。
 さらに、岩田氏は、スウェーデン経済の急回復の原因をもうひとつ指摘しています。
「景気の急回復の原動力は、輸出の増加と、それに誘発された民間企業投資の急増であった。
輸出が拡大したのは、世界的な好景気とスウェーデン通貨の大幅な下落であった」
 現在、ギリシャはユーロに加盟していますので、
スウェーデンのような急回復はないでしょう。
 ギリシャは、ひたすら緊縮財政を行うしかないのか。
そうなると、ギリシャ版の「失われた10年」となるのかもしれません。
 確か、シェイクスピアだったでしょうか。
「悲劇の底を割れば光が出てくる」と言ったのは。
 しかし、そんなことをすれば、
今度は、欧州の銀行が悲劇となります。
欧州の銀行は、多額の資金をギリシャに貸し込んでいました。















































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